芸術遺産の紹介、新たな提携関係の構築、そして長期的な協力体制の確立に向けた一歩
メキシコ・グアナフアト州、2025年5月13日発表 — グアナフアト州は、日本での公式訪問を通じて国際的な文化協力に向けた重要な一歩を踏み出しました。この1週間にわたる訪問には、グアナフアト州知事とともに文化省の長官リゼット・ガルバン・コルテスが参加し、日本の各都市でさまざまな文化的・外交的活動を展開しました。
東京、広島、熱海などで行われた高レベルの会合と文化イベントを通じて、グアナフアト州の創造的潜在力と豊かな文化遺産が紹介され、両地域の新たな交流と連携の基盤が築かれました。
主な成果は以下の通りです:
- 「11,500km:グアナフアト-広島 創造プラットフォーム」の発表
この大規模な文化交流プロジェクトは、アーティスト・イン・レジデンス、美術・ガストロノミーのビエンナーレ、アロヨ・セコに着想を得た版画ワークショップ、マツダとの共同によるデザイン賞などを含み、広島県知事湯﨑英彦に正式に発表されました。 - 国際交流基金との協力
東京では、国際交流基金理事下山正哉氏と会談を行い、今後の協力に向けて、メキシコ事務所のディレクターがグアナフアトを訪問し、文化インフラの現地視察を行うことが決定されました。 - 日本のクリエイティブ・インダストリー・フェスティバルへの参加
在日メキシコ人ネットワークや留学生協会との会合で、グアナフアト州が東京と広島で開催されるクリエイティブ産業フェスティバルのゲスト州として招待される計画が提案されました。また、2026年の「カトリーナパレード」では、グアナフアトの文化遺産をテーマとすることが検討されています。 - リベラとオルガ・コスタの作品を含む展覧会
広島県文化センターにて、ディエゴ・リベラ、オルガ・コスタ、ホセ・チャベス・モラド、サルバドール・ガジャルドらによる40点の作品を展示した「グアナフアトの風景と伝統」展が開幕しました。開幕式には両政府関係者および駐日メキシコ大使メルバ・プリア氏も出席しました。 - 世界文化フォーラムへの招待
熱海市のMOA美術館では、5月31日に開催される「世界文化フォーラム」への正式な招待が行われ、またタカ・イシイギャラリーとの対話を通じて、日本におけるメキシコ現代美術への関心の高さが確認されました。 - 東京バレエ団による公演の実現に向けた協議
小野上弘子氏(東京バレエ団代表)との会談では、同団が2027年にグアナフアトで初公演を行う可能性について協議が進められました。 - 自然館大学との奨学金制度の提案
自然館大学との連携により、日本企業に勤めるグアナフアト州出身者を対象としたビジネス分野の大学院奨学金プログラムの創設が提案されました。 - 文化プロデュースの二国間研修プログラム
東京の文化当局および駐日メキシコ大使館との会談では、日本人のクリエイターがグアナフアトで文化マネジメントやプロデュースを学ぶ研修プログラムの創設についての可能性が話し合われました。 - 能楽との文化交流
能楽の名手である辰巳満次郎氏との会談では、伝統的な能の公演をグアナフアトで開催するための文化交流の道が探られました。 - マリアッチ・フベニール・カンペロスの広島公演
レオン市出身の若者による「マリアッチ・フベニール・カンペロス」が、広島フラワーフェスティバルで公演を行い、日本語による歌唱も交えながらメキシコ音楽の魅力を披露し、両国の文化的絆を象徴するパフォーマンスとなりました。
これらの取り組みにより、グアナフアト州政府は、文化を「つながり」「アイデンティティ」「国際発信」の原動力とする姿勢を再確認しました。今回の日本訪問は、世界に向けた文化政策の新たな一歩であり、芸術の力が国境を越え、人々を結びつけることの証となる旅でした。